福井の大雪によって玄そば貯蔵倉庫が天然の雪室となり、雪室熟成による追熟でそば粉の挽き上がりが非常に良いです。

福井の大雪から1カ月。
あの2週間は大変でした。自宅から会社に行くこともままならず配達車はもちろん、運送会社さんも動けない状態。除雪は全く追いつかず交通は混乱。1000台を超える立ち往生が起こり自衛隊の方たちが昼夜問わず作業されたのは報道されていた通りです。
雪かきしても後からどんどん降り積もるので、お昼にはふりだしに戻ってしまう。しかもその状況が1週間以上続いたので、雪かきする意欲すら削られ、雪はただひたすら積もる一方。車の上に車2台分くらいの積雪となりました。3月に入って路肩に溜まった雪は溶け始めていますが、まだまだ残っています。

▼カガセイフン駐車場:積雪量が腰の位置以上になり、人も出られない状態(2018年2月6日)
福井の大雪によって玄そば貯蔵倉庫が天然の雪室となり、雪室熟成による追熟でそば粉の挽き上がりが非常に良いです。

 

ソバにとっては恵みの大雪

この大雪の影響で家屋や車の破損などたくさんの被害が出ましたが、ソバにとっては恵みの大雪となりました。
弊社では、雪が降る12月初旬から2月頃までの気温が8度を下回る季節は原料倉庫の空調をストップさせて自然の温湿度帯にて原料貯蔵させます。福井は湿度が高く空気があまり乾燥しないので、冬季は原料貯蔵において良い条件が揃うのですが、今年は原料倉庫の屋根や側面が全面、雪で覆われた事で天然の雪室のような状態になり、玄ソバ熟成するのに理想的な温湿度帯になりました。

雪室効果で理想的な玄そば熟成に

3月に入って玄そばの追熟具合がとてもいいです。
北海道産(キタワセ)、山形県産(でわかおり)の玄ソバは甘みが強くなり、香ばしい香りも出始めていますし、福井県産(福井在来種)は昨年の台風や大雨による生育被害の影響で産地や生産者によって個体差はあるものの、製粉した瞬間はナッツのような甘い香りを放つので毎日この香りを楽しむ為にそば粉と向き合っています。

福井県産100%の蕎麦粉をお求めのお客様には今年の夏の新蕎麦(キタワセ種)、また秋そば(福井在来種)をお待ち頂くしかないのですが、今の蕎麦粉は雪室追熟が終わって甘みが強く香りも上々。非常に良い状態で挽き上がっております。
大雪は二度とご免ですけど、今回のように原料倉庫が覆われるほどの雪が降らないと今のようなそばの味わいが出ないのもまた事実なので、ぜひ、この機会に甘みのあるそば粉をお試しください。

昨年夏に収穫した福井県産100%のキタワセそば粉は現在、販売しております。
福井県産キタワセそば粉 販売ページへ

カガセイフンの想い

昨年の福井県産ソバは大雨(長雨)と台風の被害をモロに受けた影響で大凶作となり例年に比べて作柄が安定せず、産地ごとに品質にムラがあります。しかし北海道や山形がここ数年の中で品質が抜群に良く、加えて今回の豪雪による雪室追熟効果でそれぞれのソバの甘みが増してきております。

現在販売しておりますそば粉は凶作の影響から残念ながら福井県産100%ではなく福井県産に北海道産や山形県産をブレンドしたものですが、北海道産100%のそば粉に比べて香りや味わいは当然強く例年の福井県産そば粉に引けを取らない品質だと自負しております。

今年播種する種そばを確保するだけで精一杯というほど過去に類を見ない大凶作の年となった2017年。
もし万が一、2018年も昨年同様の被害が出てしまうと「福井在来種」のみを無農薬栽培する福井県としてはソバ栽培の危機的状況に直面しておりますが、私たちカガセイフンは140年続く石臼製粉技術で挽きたての香り高い越前そば粉をこれからもご用意いたしますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

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