2月の中旬に約1週間ほどフランス(パリ・ブルターニュ)を旅してきました。
目的は日本でも少しずつ浸透し始めているガレットの本場を見ることによってガレットの本質を見ること。日本でソバといえば麺線に仕立てた「そば切り」で食べることが一般的ですが、フランスの特にブルターニュではガレットと言われるそば粉のクレープが一般的です。ブルターニュではガレットがどのような形で食べられているのか。また食文化とどのように繫がっているのかを視察してきました。
フランス滞在中はフレンチもワインもほぼ口にすることなく、食事はシードルとガレットのみ(ストイックでしょ笑)。フランスで訪れた街並みを紹介しながら感じた日本との違いなども交えて数回に分けてお伝えしていきます。日本独自のガレット文化がこれからも発展していくことを願って・・。
1、初めてのフランス・パリの印象
自分の仕事においてフランスという国はおろかパリなんて全く縁が無いと思っていた所に居ることが不思議で不思議で、ただひたすら車のCMの中にいるような感覚で実感がわきませんでした。初めてのパリは、テレビで見る通り街中が美しくてどこを撮っても絵になるし、待ち行くフランス人たちみんながファッションモデルにみえる。男性はため息が出るくらいカッコイイし、女性は目で追ってしまうくらい美しい。以前、何かの番組で東洋の女性の好むフランス人男性が多いなんて言ってましたが、絶対ウソ!って思うくらいです。
でも目線を下にやると、足元は結構汚い(ゴミや犬のう○ちが至るとこのにある)。黒人が多いのも意外でした。それから新婚旅行でスペインを旅したときには現金が結構使えたので同じ感覚でいましたが、フランスでは現金があまり役割を果たさないというのが最初のカルチャーショック。レストランなどでは現金での支払いもできますが、周りを見ていますと基本的にどこへ行っても何を買うにも支払いにはカードを使っていました。
次に地下鉄。自動券売機で切符を買う際に買いたい切符を画面で選択できなくて、後ろに並んでいた人に順番を譲りつつ買い方を見ていたら、券売機のまさかの動きに驚いて「へぇ~」と思わず声が出てしまって変な目で見られてしまいましたが、知らない土地って切符も買えないんだなーと思うと可笑しくて情けなくて楽しい。
ホームはトンネル掘ってタイル貼ってゴミ箱付けただけの単純な造りで、駅によってはタイル貼りが無く壁面むき出しのところもあったんですが、日本だと端っこの方も人が通れるように四角に作るところですよね。
地下鉄のホームの幅や車両の数が日本に比べて少なくて車内もそれほど広くないので平日にフランス市民が出勤等で移動する際に人が溢れ出たりしないのか?と思ったりしたんですが、そういえば日本は職場まで通勤1時間2時間って当たり前ですが、ヨーロッパは住まいの近くに職場があるという環境が整っていると聞いたことがあるので、利用者数的には日本ほど多くないのでしょう。
そうそう、車内アナウンスが少ないことにも驚きというか停車駅に止まってもアナウンスすらしない駅もあって「えっ?今どこ?」って思うことがありました。でも市内中心部だけはフランス語、英語、スペイン語の順でで案内する辺りが親切なのか不親切なのか(笑)。運転手は制服着ている人もいれば私服の人もいて国がゆるいなーと。また車両がちゃんと停車しないうちにドアが開いたり、乗客もドアを開けて出ていく姿が日本では絶対にありえないのでおもしろい。
街を歩いていると清掃員や郵便屋さん、配送屋さん、チーズ屋さんたちがお仕事の合間にパン屋に入ってフランスパンを買う姿を良く見ました。フランス人は毎日フランスパンを食べるという話は本当のようですね。
フランスに来て最初の仕事は、La Maison du Saké(ラ・メゾン・ド・サケ)にて行われるイベントの打ち合わせ。店内では日本酒、しょうゆ、昆布、加工品など日本各地の食材を扱っており、奥のフロアでは食事もできます。
こちらでは福井県産そばのブランド力を高めることと、麺以外も需要開拓を行うために食の情報発信力の高いパリでプロの料理人や現地飲食関係者に福井県産そば粉の評価を得て県産そば粉の魅力と知名度を向上させる取組みを行うプロモーションを行いました。イベントの詳細についてはこちらでご紹介しています。
▼こちらが奥のレストランフロア。もちろん日本酒もいただけます。
この日の打ち合わせ終了後、街ブラしながら夕食のレストランを探します。
日本から11時間かけてきたはずなのに、あまりにも非現実すぎて日本にいるような感覚が抜けず、フランス村とかいうテーマパークにいるような不思議な感覚を今でも覚えています。
食べるところを探しつつ散歩していたエリアには、カフェテリアやバー、イタリアンレストランなど、色々なお店があり、どこに入ろうか迷う迷う。せっかく入るなら雰囲気の良い小洒落たところに行きたいじゃないですか。そんでフランスにはケバブ屋がたくさんあるって以前テレビで見たことがあったのですが、本当にどこにでもあります。
一通り歩いて入ったお店でフランスに来て始めての食事。
奥から左回りにフィッシュ&チップス、サーモンタルタル、白身魚とチョリソのグリル リゾット添え。
白身魚はクセが無くて肉厚でホクホクした食感。サーモンは脂がさっぱりしていて必要以上に味付けをしていないのでサーモンを強く感じました。リゾットは少し芯が残ってるくらいのさすがの火の通し方。ねっとりとしたチーズと米の相性もいいし、上にのっている白身魚とチョリソの塩気を計算に入れた味付けが好みでした。
ちなみに、フランス滞在中にガレット以外の食事をしたのはホテルの朝食で食べるパンと続編でご紹介する越前おろし蕎麦を除いてはこれが最後でした(笑) あとはひたすらガレットです。フレンチもワインも飲むことなく、お腹に余裕があれば貪欲にガレットを食べる。それが一つの目的ですから♪
クレープリーについては、一つずつご紹介していきますね。
お楽しみに。
このブログでは、ガレット店の紹介や文化、観光に関してなどをご紹介していきます。
福井のそば粉屋として専門的な立場から、プロの話や技術、製法、栽培については以下のブログをご覧ください。
▼ガレットの本場‐フランス・ブルターニュ視察