初めての別府、初めての鉄輪温泉にやってきました。
そこらじゅうで湯けむりというか、地面から温泉の蒸気が立ち昇っている風景は驚きの連続で、公共の浴場も至る所に点在する。しかもほとんどがワンコインで入浴できるとは、さすが日本を代表する温泉地です。
銭湯の周りで源泉が通る配管に詰まる石灰を取り除く作業をしている職人や地獄蒸しの施設を新たに設置している業者、良い感じに蒸しあがっている観光客など（笑）、温泉地ならではの雰囲気を感じることができます。
いでゆ坂から鉄輪銀座通りへ入ったところにある「ふくばこ蕎麦店」さん。石臼挽き自家製粉の手打ち蕎麦と地元の食材を使った料理が楽しめるお店です。開店15分前ですでに数組待たれていました。
白を基調に木を上手に使った店内はとても清潔感があり、落ち着いた雰囲気です。
入口入って左側にテーブル席が2つ、正面にカウンター席が3席、カウンター後ろに座敷席があり、女性一人でも家族連れでもゆっくりと食事を楽しむことができます。この日は平日だったこともあってお一人様が多め。店主お一人で営業しているお店なので、お茶やそば湯はセルフサービスになっています。
▲くんせい塩で食べる！12時間蒸し玉子
殻を剥いてびっくり！12時間も地獄蒸しすると白身がこんな色目になるんですね。
大涌谷の黒たまごと燻製たまごの良いとこ取りな味わいで、くんせい塩を付けずとも十分に美味しい。
▲地獄蒸し 黒豚しゅうまい
こちらは12時間も蒸してあるわけではありませんが、高温の温泉蒸気で一気に蒸しあげた黒豚シュウマイ。余分な脂気が抜けてサラリとしていながらも黒豚の味と甘さが際立った一品。添えられた粗く鮮烈な香りの柚子胡椒が最高に美味しくて、今まで食べてきた柚子胡椒はなんだったのか・・と思うほど。
▲自家製 あぶり鴨ロース
一見、醤油っぽい濃い味付けに見えますが肉汁が焼き目を伝って出ているだけで、鴨肉を引き立てる程度のほどよい塩味。火の通し方が絶妙で中心部はレアでほのかに温かい。少し前までは割と手に入っていたこの鴨が最近ではほとんど手に入らなくなってしまったそうで、僕たちが注文した分でこの日は終了になってしまいました。
肉に一切の臭みがなく、鴨の良い香りだけが口いっぱいに広がって、これもこの柚子胡椒によって旨みが何倍にも膨れ上がります。今まで行ってきたお蕎麦屋さんでは食べたことのないタイプの鴨ロースでした。もしメニューにあったら食べてみてください。
▲自家製 あぶり肩ロース チャーシュー
こちらは鴨ロースと打って変わってしっかり味。
甘めの醤油で煮込まれた豚肉の脂が美味しい。
蕎麦を湯がく釜場の動きにお客さんたちは興味深々。
店内に10人ほどのお客さんがいましたが、多少、時間がかかっても1～2人前ずつ丁寧に湯がいている店主の姿勢とそれを待つお客さんに好感が持てます。
▲せいろそば
細く美しい麺線から放たれる蕎麦の強い香り。つけ汁は、鰹節と昆布の旨味が凝縮しつつも主張しない辛口で僕好みで辛味大根と生わさびの薬味もついて色々楽しめます。
数本手繰って口にれるとクニクニした食感が小気味よく、甘さが広がってサッと消えていく。
鼻から抜ける香りの余韻もとても良い。
▲かけそば
こちらも割と辛めな温つゆにシャキッとコシのある蕎麦がたまりません。
鰹節のかかった青菜は温かいおひたしを食べているようで、これによって蕎麦がさらに美味しく感じます。
別府市でそばを食べるなら、ぜひ「ふくばこ蕎麦店」を訪れてみてください。
落ち着いた雰囲気の店内で、ゆっくりと食事を楽しむことができます。
ただ、店主ワンオペで営業していますので、先客がいる場合はお時間がかかります。
開店早々か、時間に余裕をもって行ってみてください。
[ふくばこ蕎麦店]
〒874-0043 大分県別府市井田３組
電話：0977-27-7273
営業時間：11：30～14：30
定休日：火、水、金
