「SOBOKUNI(ソボクニ)学芸大学店」は、福井在来種そば粉100%で作る香り豊かなグルテンフリースイーツの世界。

東京・目黒区鷹番、東急東横線「学芸大学駅」東口から徒歩約2分。
ここに、蕎麦好きとして非常に気になるお菓子屋さんがあります。

その名は、SOBOKUNI(ソボクニ)学芸大学店

2026年4月にオープンした東京初出店のお店で、本店は福井県にあります。
最大の特徴は、小麦粉や米粉などを使用せず、福井県産の在来種そば粉を100%使用したお菓子を展開していることです。

学芸大学「SOBOKUNI」は、福井在来種そば粉100%で作る香り豊かなグルテンフリースイーツの世界。

一般的な蕎麦屋さんではありません。
でも、シフォンケーキ、ガトーショコラ、レモンケーキ、バスクチーズケーキなど、ショーケースに並ぶスイーツの中心にあるのは「そば粉」。蕎麦を麺として食べるのではなく、「そば粉そのものの可能性をスイーツで表現する」。蕎麦を食べ歩いている者としても、とても興味深いお店です。

福井から東京へ。「そば粉のお菓子」という新しい提案

SOBOKUNIの原点は福井県。
もともと福井で「ソボクニシフォン」というお店を展開し、2026年に2店舗目として学芸大学へ進出しました。福井といえば「越前おろしそば」が有名ですが、SOBOKUNIが東京へ持ってきたのは「越前そば」そのものではなく、福井が長年守り続けてきた在来種という「原料の魅力」です。

一般的にそば粉というと、「蕎麦を打つための粉」というイメージが強いと思います。
しかし、そば粉には独特の香ばしさや穀物らしい穀物味と甘みがあります。その個性をケーキや焼き菓子へ落とし込めば、小麦粉を使った洋菓子とは違う世界が生まれます。

「福井のそば文化を東京へ伝える」という意味でも、非常に面白いアプローチです。

なぜ「福井県産在来種」のそば粉なのか

SOBOKUNIがこだわっているのが福井県産の在来種です。中でも特に希少な有機無農で薬栽培した、大野在来種のそば粉にこだわりを持ち、福井で長く受け継がれてきた在来種を使う理由や、その味を守りたいという考えを発信しています。

福井県には、各地域にその土地で長く栽培されてきた在来系統が残っています。蕎麦として食べれば、香りや甘み、穀物感などに個性が現れます。これを「麺」ではなく「菓子」に使うところがSOBOKUNIのおもしろさ。砂糖や卵、乳製品などと合わせても、そば粉の持つ香ばしさが土台となり、一般的な小麦粉のお菓子とは違った奥行きをつくります。まさに、「蕎麦の産地を、スイーツとして味わう」という感覚です。

学芸大学「SOBOKUNI」は、福井在来種そば粉100%で作る香り豊かなグルテンフリースイーツの世界。

一番人気は「十割そば粉のシフォンケーキ」

SOBOKUNIを初めて訪れるなら、まず味わってみたいのが看板商品のシフォンケーキ。
そば粉100%で、小麦粉を使用せずにつくられています。国産の平飼い卵やてんさい含蜜糖などを使用し、ベーキングパウダーにも頼らない製法を採用しています。

ここで気になるのが、

「そば粉100%で、本当にシフォンケーキがふわふわになるの?」

というところ。

蕎麦を打つ人なら分かると思いますが、そば粉には小麦粉のようなグルテンがありません。本来、ふっくら膨らませた菓子づくりでは扱いにくい素材です。ところが実食した人からは「ふわふわ」「甘さ控えめ」といった感想が出ています。つまり、SOBOKUNIのシフォンは単に「小麦粉をそば粉へ置き換えたお菓子」ではなく、『グルテンを持たないそば粉で、いかにシフォンらしい軽さと口溶けを表現するか』そこに菓子職人としての技術が見えてきます。

そば粉の香りを「強く出しすぎない」のも面白い

実際の口コミを見て興味深いのが、「そば粉の香ばしさを感じる」という声がある一方で、プレーンのシフォンについて「蕎麦の風味はあまり強く感じなかった」という感想もあることです。

これは、そば粉スイーツを考えるうえで重要なポイントだと思っています。「そば粉を使っているのだから、蕎麦の香りが強ければ強いほどいい」とは限りませんし、スイーツには、卵のコク、砂糖の甘み、チョコレート、柑橘、ほうじ茶など、それぞれの素材があります。そば粉だけが突出するのではなく、それらを下から支えるように香ばしさやコクを加える。

「蕎麦を食べる」のではなく、「そば粉だから生まれる味わいを楽しむ」。

この違いが、SOBOKUNIのスイーツを理解するポイントだと思います。

プレーンだけじゃない。フレーバーの豊富さも魅力

シフォンケーキはプレーンだけではありません。
バニラ、黒ゴマ、ほうじ茶、紅茶、ココア、プレーンなどが店頭に並んでいました。個人的におもしろいと思うのは、黒ゴマやほうじ茶との組み合わせ。

そば粉、ゴマ、ほうじ茶。いずれも「香ばしさ」という共通点があります。
異なる焙煎香や穀物香が重なることで、洋菓子でありながら、どこか和菓子にも通じる落ち着いた余韻が想像できます。コーヒーはもちろん、日本茶やほうじ茶と一緒に楽しむのもよさそうです。

「そば粉のフレンチクルーラー」は食感がおもしろい

学芸大学店でぜひ味わってほしいのが、東京店限定の「そば粉のフレンチクルーラー」。
福井県産在来種のそば粉を100%使用し、油で揚げずにオーブンでじっくり焼き上げるという、一般的なドーナツとはひと味違う一品です。

揚げ油の風味で覆わないため、口に入れたときにそば粉そのものの香ばしさを感じやすく、そば粉由来の油分によるコクも楽しめる仕立てで、軽い食感ながら満足感のあるサイズに仕上げられています。

学芸大学「SOBOKUNI」は、福井在来種そば粉100%で作る香り豊かなグルテンフリースイーツの世界。

「ふんわり」と「ザクッ」の食感の対比

フレンチクルーラー自体は軽くふんわりとした生地ですが、表面を覆う自家製ショコラには韃靼そばが使用されており、ふんわりとした生地 → ザクッ、サクッとした韃靼そば → ショコラのコク → 最後に広がるそば粉の香ばしさ という、食感と香りの変化が楽しめます。

中のクリームにもそば粉が使われており、まるでクリーム状のそばがきを食べているかのような独特の味わいで男性にも人気があるそうです。小麦粉の代用品としてそば粉を使うのではなく、「そば粉だからこそ生まれる美味しさ」を表現した、SOBOKUNIを象徴するスイーツです。

レモンケーキとの組み合わせにも注目

そば粉と柑橘。
一見すると意外な組み合わせですが、これも興味深い一品。そば粉の香ばしく穏やかな風味に対して、レモンの酸味と爽やかな香りが輪郭をつくります。そば粉を主役として押し出すのではなく、レモンやチョコレートと組み合わせることで違った表情を引き出す。

この発想は、蕎麦屋の料理にも通じるものがあります。良い蕎麦ほど、薬味やつゆとの組み合わせによって新しい表情を見せます。そば粉スイーツもまた、「何と合わせるか」によって可能性が広がるのでしょう。

学芸大学「SOBOKUNI」は、福井在来種そば粉100%で作る香り豊かなグルテンフリースイーツの世界。

ガトーショコラやバスクチーズケーキまで「そば粉」で

さらにSOBOKUNIでは、シフォンケーキだけでなく、黒糖ガトーショコラ、生ガトーショコラ、バスクチーズケーキ、スイートポテトケーキなども展開されています。

特にチョコレートとそば粉は相性のよい組み合わせ。
カカオが持つロースト香と、そば粉の穀物香には共通する香ばしさがあります。そこへそば粉ならではの風味が加わることで、チョコレート一辺倒ではない奥行きが生まれます。「そば粉=和風」という固定観念を崩してくれるラインナップです。

小麦粉を使わない「グルテンフリー」という選択肢

SOBOKUNIのスイーツは、そば粉100%を特徴とするグルテンフリーのお菓子として紹介されています。個人的には「グルテンフリーだから」という部分だけで、この店を語ってしまうのは少しもったいないと思っていて、健康志向の代替素材としてそば粉を使うのではなく、

「そば粉がおいしいから、そば粉でお菓子をつくる」。

SOBOKUNI自身も福井在来種の味に強くこだわっており、そこがこの店のおもしろさです。
「小麦粉を使わなくてもおいしい」から一歩進んで、

「そば粉だからこそ、この味になる」

というところまで表現しようとしている。
そこに、そば粉専門スイーツ店としての価値があります。なお、そばアレルギーがある方にとってはグルテンフリーであっても安全という意味ではありません。そばを使用した菓子であることには十分な注意が必要です。

学芸大学「SOBOKUNI」は、福井在来種そば粉100%で作る香り豊かなグルテンフリースイーツの世界。

蕎麦好きにこそ、一度食べてほしい「もう一つのそば粉の世界」

私たちは普段、そば粉を見ると、
「十割で打ったらどうなるだろう」、「粗挽きなら香りはどう出るだろう」、「おろしそばにしたら面白そうだ」など、どうしても「蕎麦」という完成形を考えてしまいます。

しかしSOBOKUNIでは、同じそば粉がシフォンケーキになり、レモンケーキになり、ガトーショコラになります。それによって、今まで蕎麦を食べなかった人にも、福井県産在来種という農産物を知ってもらえる。

これは、そば粉の新しい入口であると同時に、福井の在来種文化を次の世代へ伝える一つの方法でもあるように感じます。SOBOKUNI自身も、効率だけではなく在来種を守り、その味を菓子として届けたいという思いを発信しています。

福井在来種をスイーツという新しい形で味わう専門店

蕎麦を打たなくても、そば粉はおいしい。
そして、そば粉の可能性は「麺」だけではない。SOBOKUNI学芸大学店のスイーツを見ていると、そんな当たり前のようで新しい発見があります。

学芸大学駅から徒歩約2分、東京都目黒区鷹番2丁目にあるSOBOKUNI。2026年に福井から東京へ進出したばかりの新しいお店ですが、そこで扱っているのは400年という時間の中で守られてきた福井の在来種です。

伝統的な原料を、現代のスイーツへ。

「蕎麦を食べる」のではなく、「そば粉を味わう」。

蕎麦好きはもちろん、学芸大学周辺で個性的なスイーツや手土産を探している人にも、ぜひ知ってほしい一軒です。


[SOBOKUNI(ソボクニ)学芸大学店]
〒152-0004 東京都目黒区鷹番2-20-14 リアン学芸大学1F
営業時間:10:00~18:00
定休日:火・水

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