へぎそば通が通う「粋や(新潟市)」は、職人の手振り盛りの美しさと布海苔の香りが楽しめる。

新潟市中央区のショッピングモール「DEKKY401」1階に店を構える「越後へぎそば処 粋や(いきや)」さん。
新潟の名物として有名な「へぎそば」をじっくり味わえるそば店です。

へぎそば通が通う「粋や(新潟市)」は、職人の手振り盛りの美しさと布海苔の香りが楽しめる。

ランチタイムを外して来たのですが、平日にもかかわらずお店の前で待っているお客さんが数組いるところを見ると、長きにわたり地元の方や舌の肥えたへぎそば好きに愛されている人気店だということがうかがえます。

へぎそば通が通う「粋や(新潟市)」は、職人の手振り盛りの美しさと布海苔の香りが楽しめる。
店内にはたくさんの色紙が飾られており、いろいろなメディアでも紹介されているようです。
メニューはへぎそばを中心に種物や天ぷら、丼物の他に季節限定メニューなどもあって充実しています。

へぎそば通が通う「粋や(新潟市)」は、職人の手振り盛りの美しさと布海苔の香りが楽しめる。▲かも汁つけそば(かも汁+へぎそば)※季節限定

職人による手振り盛りが美しい。実際のへぎそばの色はもっと緑がかっていてきれいなので、ぜひお店に行って食べてみてほしいのですが、提供されるとお薦めの食べ方を親切丁寧にレクチャーしてくださって、へぎそばにあまり馴染みのない僕にとってはとても嬉しかったです。

へぎそば通が通う「粋や(新潟市)」は、職人の手振り盛りの美しさと布海苔の香りが楽しめる。
今まで何度かへぎそばを食べたことがありますが、特に海藻やそばの香りがするとか、食感が楽しいとか、のど越しがすごくいいとか、へぎそばならではという特徴を感じたことがなかったので、正直、あまり美味しいと思ったことがなかったのですが、粋やさんのへぎそばは、布海苔のほのかな香りがちゃんと感じられ、独特ののど越しとクニュクニュした歯ごたえがクセになります。実直で丁寧な仕事をされていることがお客様に伝わるからでしょうね、すでに14時を過ぎていましたが、僕が入った後からでもお客さんが普通に入ってきます。


「へぎそば」とは何か?その定義と特徴

「へぎそば」とは、新潟県魚沼地方を発祥とし、つなぎに海藻の 布海苔(ふのり)を使い、木製の器「へぎ(片木)」に一口ずつ盛り付けて提供される冷たいそばのことです。

へぎ(片木)という器の名称は、木を剥いでつくる板状の器・「剥ぐ=はぐ/へぐ」から語源が来ていると言われています。つなぎに布海苔を使うことで得られる特徴として、「ツルッとした喉ごし」「弾力あるコシ」が挙げられます。盛り付け様式も特徴的で、一般的な “ざるそば” とは異なり「一口分ずつ丸めて“手振り・手繰り”という技法で器に並べる」という伝統があります。つまり、「へぎそば」は単に “そばを盛った” ものではなく、地域の素材・器・盛り付け・食べ方が一体となった食文化と言えます。


店主の高橋さんと少しお話する時間をいただきました。
近年、温暖化の影響でへぎそばにとって重要な原料である「布海苔」が取れなくなってきているそうです。全国から調達しているものの、へぎそばとの”相性”というものがあるそうで、全てが納得のいくへぎそばにならないこと、また「へぎそば」として提供する上で伝統スタイル(片木、そば粉と布海苔の割合、手繰り盛り)の定義があるため、別の海藻類を代用することができないところにさらなる悩ましさがあるとのことです。布海苔の収穫量が減少傾向である以上、へぎそば専門店として新しい取り組みや商品展開を考えていくと力強く語られていました。

新潟市で本格的な「へぎそば」を味わいたいなら、越後へぎそば処 粋やさんは非常に良い選択です。
味、雰囲気、サービス、アクセスのすべてにおいて”丁寧さ”が感じられ、地域食文化を十分に体感できます。新潟駅からも割と近く、観光合間のランチにもぴったりです。僕が感動した「へぎそば」の美味しさと職人の技、高橋さんのお人柄を感じにぜひ足を運んでみてください。
ごちそうさまでした。


[越後へぎそば処 粋や]
〒950-0973 新潟県新潟市中央区上近江4丁目12−20 デッキー401 1階
電話:025-282-7288
営業時間:11:00~15:30/17:10~19:15
定休日:水曜日

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