名古屋市の繁華街である栄にあり、創作料理と手打ち蕎麦が楽しめる「乙味あさ井(おつあじあさい)」さんに伺いました。ご主人の浅井さんは和食料理店やホテル、名古屋市内の有名な蕎麦専門店で経験を積んでオープンされたそうです。
白を基調とし、木を生かした落ち着きのある店内はとても清潔感があり、外の喧騒が嘘のような静けさ。客席は6席+2席(計8席)のゆっくり座れるカウンターのみで控えめなご主人と奥様がニコニコと応対してくださる雰囲気がとても居心地が良い。
食事が始まる前に嬉しかったことが2つ。
1つめはお品書きに添えられたメッセージカード。ちょっといいお料理屋さんに予約して行ったりすると添えられていることがありますが、割とパソコンで出力していたりするので、それだったら無い方が良いな(笑)と思ったりするんですが、こうして手書きで筆文字で書かれているとおもてなしの心が伝わりますね。これは大切に持ち帰りました。
2つ目がおしぼりにほのかに効かせた木の香り。香りのついたおしぼりはよくありますが木の香りを感じたのは初めてだったので、しばらく鼻におしぼり充ててリラックスしてました。
1品目のお料理は、福井県丸岡在来の蕎麦がき。
目の前で練り上げたそばがきはトロトロとモチモチの中間くらいの柔らかさでお出汁と上に添えられたからすみの塩気がちょうどいい。優しくてほのかに温かくて一口目に口にするお料理としては最高でした。これで胃が開くというか余計にお腹が減る感じでした。
晩春の前菜八寸は、和え物、焼き物、揚げ物、お野菜など一つ一つ丁寧な仕事がしてある上に盛り付けもきれいで、これだけを食べに来たいと思うくらい美味しかったです。写真は載せませんのでぜひ体験してみてください。
季節のお造り。
細かく隠し包丁が入ったイカ(左)はとても甘く、鯵のたたき(上)は味が濃い上に香りも良く、火の通し方が絶妙な鰹(中央)とからしの相性の良さに驚き、甘すぎない海苔の佃煮(下)は延々とお酒を吞み続けられ、脂が乗りすぎていないのどぐろ(右)はプリプリで焼き目が香ばしい。この一皿で僕的には結構、満足してしまいました(笑)
強肴は三河和牛と名前を忘れてしまいましたが醤油と鰹の粉末をふりかけた小魚。
お肉はジューシーで脂が軽い。醤油粉末は香ばしくこれだけでまたお酒が飲める。
店主の浅井さん。
黙々とお料理を仕立てていくところを見るのがカウンターの醍醐味ですね。
〆は1品目に出たそばがきと同じそば粉を使った十割そば。
辛汁の他に生わさび、塩、からすみで食べさせてくれるのが泣かせます。そば粉を使ったお料理がコースで2品出るのも嬉しい。
名古屋は関西と関東の中間なので蕎麦の出汁は関西風と関東風で使い分けるというお店があると聞きますが、乙味あさ井さんの味付けは全体的に控えめで素材の味を楽しめるのでどちらの方でもお口に合うんじゃないでしょうか。美味しいお料理とお蕎麦をぜひ楽しんでみてください。
[乙味あさ井]
〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄1-5-6 メイトウスタービル 2A
電話:052-221-7080
営業時間:[夜] 18:00〜 / [昼] 火・木・土 11:30〜
定休日:日祝日 (不定休)