[2016年秋そば生育状況] 福井県大野市で大野在来種を有機無農薬(オーガニック)で栽培する農家さんに圃場を案内してもらいました。

奥越地方に位置する大野市は福井県内でも有数の蕎麦産地で、御清水(おしょうず)に例えられる豊富な地下水を始め、山間部ならではの気候や昼夜の寒暖差、澄んだ空気などなど作物を作るには非常に適した土地柄です。「早刈りそば」と「完熟そば」の2種類を栽培しており、私どもそば粉屋に安定した品質の玄そばを供給してくれる産地です。今回はこの大野市のそば圃場の様子を視察してきました。

[2016年秋そば生育状況] 福井県大野市で大野在来種を有機無農薬(オーガニック)で栽培する農家さんに圃場を案内してもらいました。

【大野在来種】小粒でふっくらとした有機無農薬栽培の極上玄そば

古くから【大野在来種】を無農薬栽培している地域であり、中でも阪谷地区は寒暖の差が激しく生育環境が整っているので極上の玄そばが栽培されています。その実は小粒ながらもふっくらと脹れており、胚乳部分が多いのが特徴。一年を通して品質が安定していることも人気の秘密です。

[2016年秋そば生育状況] 福井県大野市で大野在来種を有機無農薬(オーガニック)で栽培する農家さんに圃場を案内してもらいました。

写真はすべて大野市で有機無農薬(オーガニック)栽培している契約農家さんのソバ圃場です。
ソバに限ったことではありませんが、有機無農薬栽培というのは栽培を始めるまでに非常に手間と時間がかかる上、生育中の手入れもしっかりと行わなければなりません。また天候にも大きく左右されます。少しでも台風や大雨の被害にあえば収穫量は見込めませんし、天候に恵まれても豊作になるかどうかはわかりません。

日中は晴れれば25℃近くまで気温が上がりますが、夜になると10℃前後にまで下がり、雨が降れば10℃を下回る温度にまで冷え込みます。10月初旬から中旬頃の昼夜の温度差は10℃~15℃と寒暖差がはっきりとしています。

[2016年秋そば生育状況] 福井県大野市で大野在来種を有機無農薬(オーガニック)で栽培する農家さんに圃場を案内してもらいました。

有機無農薬栽培の玄そばを栽培するうえで、土づくりにおいて鶏糞を発酵させたものをたい肥としているというお話をお聞きしました。そのためには根本として「有機無農薬栽培の餌を食べた鶏の糞」を利用しないとそもそもオーガニック栽培はできません。またソバを播種する以前に栽培した作物に化学肥料等が使用されていると意味がありません。そういう意味で「質のいい鶏糞」の確保が非常に難しく、現状に持ってくるまで試行錯誤の連続で本当に苦労されたそうです。

常に有機栽培を意識し、できるだけ自然な環境で健やかに育て上げる。そのために土壌を整えて地力を向上させる工夫がとても大変なんです。口で言うのは簡単ですが、実際にお話を聞いてその大変さと熱意が伝わってきます。

[2016年秋そば生育状況] 福井県大野市で大野在来種を有機無農薬(オーガニック)で栽培する農家さんに圃場を案内してもらいました。

台風の影響で一部、倒伏したソバの葉から葉へ元気に飛び移るカエルたち。ちょっと畑に入るだけでたくさんの虫や蝶々なども見つけることが出来ます。自分たちが今住んでいる福井市内中心部でも僕が子供のころはこういった光景が身近で当たり前にあったのですが、今は自然を探してやっと見ることが出来るくらいにまで少なくなってしまいました。

生活が便利になる事は人や暮らしにとって重要ですが、自然が少なくなることによって作物への影響や心のゆとりというものが薄くなってしまいますよね。小さい時に一生懸命に虫を追いかけていた光景を自分の子供にも残してあげたいとしみじみ想う大野市のソバ圃場視察でした。

天気:晴れ
石臼工場内室温:23℃
石臼工場内湿度:64%