国道351号線(池東松原線)沿いにある手打十割蕎麦処 蕎仙(きょうせん)さん。
伊豆高原や温泉、ゴルフ場、大室山など、とても見どころの多いエリアにあるため、平日ながら道路は観光バスやロードバイク、自家用車が多く行き交っています。
開店早々にお店に入ろうと15分前にやってきましたが、すでに車内で待っているお客さんが2組ほどいるところを見るとその人気ぶりがうかがえます。高原なので空気は抜群に美味しいけど、11月ともなればこの辺りでもさすがに寒い。
屋外にあるテラス席は解放感がありつつ、国道からは見えにくくなっているので、暖かい日はここで順番待ちされるんでしょうね。
開店した瞬間にお客様がなだれ込むようにやってきて即満席に。アットホームなお店の雰囲気とお母さんたちの接客に癒されます。地元の常連さんたちが多いのも分かります。
お蕎麦は「白」と「黒」のもりそば(十割)と「そば de イタリアン」の3種類。
これを単品やセットで組み合わせるシンプルなスタイル。
▲前菜3種+3種(卵焼き、炊き野菜、鰆の西京焼き/わらびもち、湯葉のあんかけ、蕎麦の実リゾット)
これだけでお酒が欲しくなる素晴らしい前菜は、味付けがごく薄味で素材の味がしっかり感じられます。一つ一つ彩りよく丁寧に作られてあるので一気に食べてしまうのがもったいない。
天城の伏流水とそば粉だけで打つという十割の生打ち蕎麦は、なめらかでシコシコした食感がとても心地よく、食べた後に口に残る甘みと鼻から抜ける香りがたまりません。お出汁を付けて食べるのがもったいないくらい。
こちらも同じく、伏流水とそば粉だけで打つ生粉打ち蕎麦で、モチモチした弾力と強い蕎麦の穀物香がじっくりと味わえます。2つの蕎麦に共通して感じるのは、蕎麦の表面の滑らかさというか、ぬるぬる感で、これがとても官能的でクセになる食感になっています。十割蕎麦なので、水とそば粉以外の材料は入りません。となると打ち方も重要ですが、使用する水の性質が大きく影響してこの独特なお蕎麦に仕上がっているんだと思います。
アルデンテに湯がいた白蕎麦にエクストラヴァージンオリーブオイルと粗塩、粒こしょうをふりかけた変わり蕎麦。これは家でも試したことがある食べ方なのでその美味しさはすでに分かっていましたが、やはりこの蕎麦自体のヌメリのある食感がこの一皿の美味しさを倍増させていると思います。イタリアンなんだけど和蕎麦はしっかり主張していて、合間にトマトやブラックオリーブを挟むことでお互いが引き立て合っています。
静岡に来たら必ず食べたい駿河湾の桜エビ!
皮が柔らかいので歯に触ることなく、小さいながらに身のプリプリ感があって、ごま油の香りに負けないほど海老の香りと味が強い。こればかりは福井ではなかなか食べられないので、本場の味が味わえて幸せでした。
最後に蕎仙代表の横山様と撮らせていただきました。
福井は「福の井」と書くほど美味しい名水に恵まれた土地で、県内各地にそば屋さんや酒蔵が存在し、独自のお蕎麦やお酒が楽しめますが、日本名水100選などに登録されている名水の近くには、その水に惚れ込んで開業したというそば屋さんが必ずと言っていいほどあります。それぞれに特徴があり、そこでしか味わえないお蕎麦が味わえるんだろうと今回、蕎仙さんを伺って改めて感じました。
伊東や伊豆へお越しの際にはぜひ立ち寄ってみてください!
美味しいお蕎麦でした。ごちそうさまでした。
[手打十割蕎麦処 蕎仙(きょうせん)]
〒414-0052 静岡県伊東市十足329−6
電話:0557-45-6681
営業時間:11:00~15:00
定休日:火曜日