フランスの中心で越前おろし蕎麦が食べたいの！ということで、ルーブル美術館からほど近い場所にある越前そば東郷（ECHIZEN-SOBA TOUGOU）さんへ行ってきました。
こちらではフランスで唯一、福井の越前そばが食べられるお店で、開店当時は福井のテレビや新聞でも取り上げられて話題になっていたこともあり、今回のフランス訪問で時間があれば伺いたいと思っていました。
ヨーロッパ建築に紺色の暖簾が見事に馴染んでいます。
隣の窓からは厨房の様子を見ることが出来ます。大きな釜で打ちたての蕎麦を湯がく光景は、フランス人にどう映るのでしょうね。
店内は縦に広く奥行きがあり、ゆったりと食事ができます。棚に並べられた越前焼のそば皿やそば猪口が店内に味わいを出していて、純和風なはずなんですが全体的にモダンに見えるのは内装にフランスのエッセンスが入っているからでしょうか。
白ベースの内壁とステンレスのカウンターは明るく清潔感があって厨房と暖簾の感じがとてもおしゃれです。
お品書きはお蕎麦とご飯ものがセットになったものから、かけそばや天ぷら蕎麦などの単品の蕎麦メニュー、そしてポテトサラダや揚げ出し豆腐、おでんなどの一品ものも充実していて、日本人の心の味というかそれでいて外国人受けもしそうな分かりやすいメニューになっています。
ビールはキリンの一番搾りがあり、地酒は越前桂月（特別純米）、常山（純米吟醸／超辛純米）、沙利（純米大吟醸）、白龍（純米吟醸、純米大吟醸）の計6種。十分に福井の酒の味わいを堪能できるラインナップとなっています。
▼越前おろしそばとミニたまご丼のセット（16EUR）
お値段をみてちょっと驚きました。外国で日本食を食べようと思ったら、お店側は日本からいろんなものを取り寄せないといけませんし、人件費や店舗にかかる費用、製造コストなどを含めると日本で食べる価格の2倍～3倍くらいかかるからとても高価なイメージがありますが、フランスでしかもパリで手打ちで福井の味が楽しめて16€（およそ2,000円）ってお手頃だと思いませんか？
しかもこの麺線。
白っぽくツルツルとしたのど越し良い細切りの蕎麦はフランス人を意識してのことでしょうね。かつお節と現地では手に入りにくい大根おろしとネギ、そしてフワッと香る出汁の香りが泣かせます。
強烈なヨーロッパの文化の中にいると日本の出汁、日本の蕎麦、大根おろしがとても恋しく、食べた瞬間に体中に染みわたって、「くぅ～っ」ってなりますね。外国で生活していると日本では当たり前な食べ物が当たり前にないわけですから、外国で日本食を出すお店の主なターゲットが日本人だということがよく分かりました。
何はともあれ、フランスパリで福井を代表する県民食「越前おろし蕎麦」が楽しめるというのは素晴らしいことですし、福井からフランスへ越前そばを持ちこんだ東郷さんも素晴らしい。そば店に限らず、フランスで日本人がお店を開店するということがどれくらい大変で苦労されたことか、今回の訪問で色々な方にお話をお聞きしてよく分かりました。
ヨーロッパはヨーロッパのルールがあり、そもそも語学をしっかり習得しないと話になりませんし、今まで一つ一つハードルを越えてこられて今のお店があるということがすごく伝わってきました。東郷さんには世界3大そば産地の福井代表としてこれからもパリの日本食ファンを魅了していただきたいと思いますし、フランスに住む日本人の為にも頑張っていただきたいと心から願っています。
[越前そば東郷（ECHIZEN-SOBA TOUGOU）]
33 Rue Saint-Roch, 75001 Paris,France
TEL：+33 1 73 71 69 23
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