家庭で蕎麦を茹でると大量のそば湯(茹で汁)が出ますよね。ソバは水溶性なので茹でる際に成分が湯の中に溶け出します。その栄養価も全部摂る意味もあってそば湯を飲むわけですが、さすがに全部は飲みきれません。僕も今までどれだけのそば湯を流してきたことでしょう。計量しきれないくらいです。
そばをお腹いっぱい食べても実際はどれくらい栄養を摂れているのかといったら、おそらく3割くらいはそば湯に流れているんじゃないでしょうか。本当にもったいない事です。
そんな時、お世話になっている方がそば湯で雑炊を作っている写真を見て、なるほどこういう使い方があるんだと感動して僕もチャレンジしてみることにしたんです。残しておいたそば湯で、このそばの実(丸抜き)を炊いていきます。
100%そばの実だとちょっと苦しいので、半々でご飯も加えて簡単なリゾット風に仕立てて上に京都で買ってきた汲み上げ湯葉をあしらいました。味付けはそば湯に十分味があるので、少しの出汁と塩で控えめに。
いかがでしょう。
素人ながら結構、いい感じに仕上がったんじゃないですか?
やっぱ器(越前漆器)が良いとそれっぽく見えますね(笑)
そばの実は高温で火を入れていくと10分ほどででんぷん質が糊化して実が透明になります。その一歩手前のアルデンテで仕上げました。プチプチとしたそば粒のアクセントがいい感じで、完全に糊化した実はホクホクに炊き上がっていて美味しい。
そばと湯葉(大豆)って合わないことは無いだろうとは思っていましたが、意外にもそれぞれの旨みが引き立ってここまで相性が良いとは思ってなかったのでびっくりしました。
じわりと美味いと感じるのはこういう瞬間なんでしょうかね。
一口一口味わいながら最後までゆっくりといただきました。