福井のそば粉屋7代目が初めての石臼メンテナンスに挑戦。

梅雨から夏季は気温高で蕎麦の水分が抜けやすく、室内をクーラーで冷やしても今度は空気が乾燥して水分が飛びやすくなるので、特にお盆の時期はいつもの蕎麦のクオリティが出せずそば屋さんは本当に苦労します。それこそ蕎麦屋の腕の見せ所といったところでしょうか。そば粉屋もしかり。

石臼が並ぶスペースを適温にしても北陸は湿度が高いのですさまじい結露が発生します。壁面や低温の原料倉庫の周りに水滴が発生することは茶飯事なんですが、隣の部屋との温度差が大きいと石臼の架台に結露することがあります。100歩譲って架台ならまだいいんですが、ごく稀に石臼自体に結露することがあります。これだけはいただけません。石臼に結露して水分が付着すると溝にあるそば粉に水分が加わり、いわば石臼の中で水回しをしている状態になります。放っておくと固い塊になって溝を塞ぐので粉が挽けなくなりますし、最終的には腐敗するので衛生上よろしくない。

実はその稀な現象がこの夏起きてしまいました。その日は急遽、対象の石臼を取り外し、風を当てて乾かす間に目立てや細かいところの清掃などのメンテナンスを行おうとしたら、夏休みに暇をしていた息子(小学2年生)がなんと参戦してくれました。

福井のそば粉屋7代目が初めての石臼メンテナンスに挑戦。
実は彼、ソバアレルギーなのです。粉っ気の少ない事務所に遊びにきたり、石臼がストップしている時に工場に入ることはあっても石臼を間近で触れることはありませんでした。今回はマスクを付け(ズレてるw)、制限時間を設けて助太刀してくれました。

福井のそば粉屋7代目が初めての石臼メンテナンスに挑戦。
自分より軽く5倍以上の重量がある石臼を吊り上げて取り外し、僕が溝に詰まったそば粉の塊を掻き出している横で吸引作業してくれました。向かって左奥から父(5代目)、僕(6代目)、息子(7代目になってくれたらいいなw)の3世代がこうやって一つの作業をしているのは感慨深いものがあります。

福井のそば粉屋7代目が初めての石臼メンテナンスに挑戦。
正直、親としては息子はまだまだ小さくて非力だし、重量物を動かすのは危険が伴うので、あまり近寄らせない方がいいなと思っていたんですが、そういえば、僕も小学校低学年の頃は、石臼工場が遊び場だったし、祖父のあぐらの上に座って石臼の目立てごっことかしてたなぁーって思ったら、このころに石臼になるべく多く触れさせるというのはすごく重要なことだなと後になって気づかされました。
将来、息子がこの越前そば文化を継いでくれたら一番ですが、そうでなかったとしてもこういう経験は一つの財産になると信じています。

それはそうとたった数分間のウルトラマン的ヘルプだったけど、小さい息子がこんなにも頼もしく感じたのは初めてで、実はそれが親として跡取りとして一番よかった。カガセイフンの未来がまた一つ明るくなったように感じました。

Lineの友だち追加でカガセイフンの最新情報をいち早くGET!

友だち追加