豪雨被害に遭い3度播種した、令和4年度の福井在来そばの作柄はどうなる!?

8月5日に線状降水帯が福井県全体に停滞し、嶺北地方と嶺南東部を中心に非常に強い雨が降り続いた影響で至る所で浸水が見られました。中でも南越前町今庄地区は被害が大きく、近隣河川が氾濫したことによって床上浸水やJR北陸線の線路が冠水、北陸自動車道と国道8号線も土砂崩れが起こり福井から関西方面への交通網が寸断、福井市内を流れる九頭龍川や日野川も堤防ギリギリまで増水し、いつ氾濫するか分からないという危険性を僕も強く感じておりました。弊社工場付近でも冠水による通行止めが散見され、ピーク時はあまりの強い雨に工場内に水が入ってこないか非常に不安な状況だったことをよく覚えています。

そんな中で今年の福井在来そばの作付けは極めて深刻な状況となっております。
まず、7月末に播種を終えた圃場は降水帯による雨で浸水したことによりほぼ全滅。その後、お盆前に播き直しを行いましたが、お盆休み期間中にまとまった雨が2日ほど降り続いたため広い範囲で発芽が見られず、お盆明けに3度目の播種を行って現在は芽が出始めておりますが、1回目、2回目と被害があまりにも大きかったため播き直すための種そばが不足し作付面積が例年より少なくなっているようです。

豪雨被害に遭い3度播種した令和4年度の福井在来そばの作柄はどうなる!
水たまりがある周辺は種そばが流されてしまい芽が出ておらず、出ているところもまばらであまり良い状況とは言えません。
豪雨被害に遭い3度播種した令和4年度の福井在来そばの作柄はどうなる!
水はけ用の溝切に水が残っていますが、これは水を嫌うソバにとっては良い状況ではありません。
流れて行かないのは、土がかなり水を含んでいてこれ以上、水分を吸収できないことと、流れる出る用水が増水していて水が出て行かないのです。
豪雨被害に遭い3度播種した令和4年度の福井在来そばの作柄はどうなる!
播種してから7日~10日ほど経過したところだと思いますが、付け根の部分が赤く染まっているところをみると根腐れを起こしそうな雰囲気があります。

豪雨被害に遭い3度播種した令和4年度の福井在来そばの作柄はどうなる!

現状だけでも生育不良の懸念がありますが、すでに台風が何度か発生してますし雨雲の動きも不安定なので、いつ何時、また福井を襲うか分かりません。いづれにしても今年は不作の年になることは覚悟しておいた方が良さそうです。

収穫量が少なくなると決まって付きまとう問題が原料価格の高騰と作柄(品質)です。
自然災害は農作物は全般的にもろに作柄に現れますので、5、6年ほど前にあった大凶作で原料がない事態になってしまうと非常に頭が痛いところです。

播き直しによって新そばの入荷も例年より2週間ほど遅れる見込みです。
例年は10月末ごろに入荷しますが、11月2週目以降になると思われます。

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