100年を超える巨大石臼(重さ300kg/直径2尺)の目立てを終えて再設置しました。

昨年9月に長い間、使わずに眠らせていた直径2尺(約60.6cm)の石臼を現役復帰させました。
最後に使って以来、どれくらい使わずにいたかどうかは、僕がこの世に生を受けてから稼働しているところを一度も見たことがないので、少なくとも40年以上は保管していたことになります。

石臼自体は表面の肌感や色、石に触れた時の質感などを見ると、作られてから100年は軽く経っていて、おそらくこの石臼が誕生した当時から2、30年は普通に使われていたんじゃないかと思います。昨年、この石臼に触れた時に上臼のふくみ(そばの実が上から投下され、石臼の中心から外側へ向かって少しずつ割れて細かく挽かれて出ていくまでの空間)はほぼなく、上下臼が内側から外側にかけてほぼぴったりと重なり、石臼独特の模様である目や溝も摺り減ったままの状態でした。

100年を超える巨大石臼(重さ300kg/直径2尺)の目立てを終えて再設置しました。
どうしてこうなったのか想像するに、石臼製粉でもある程度、効率よくそば粉が挽けるように大型で重さのある石臼を石工さんに作ってもらったんだと思います。でも、100年以上も前の時代となれば弊社は水車で石臼を回していた頃になるので、石臼を取り外す作業はもちろん人力、ただでさえ石臼のメンテナンスは大仕事なのに、この石臼は上下臼で重さ300kgを超えるので、下手に触って体の一部が石臼の下敷きにでもなれば職人生命を絶たれることになりかねません。
100年を超える巨大石臼(重さ300kg/直径2尺)の目立てを終えて再設置しました。
そうこうしているうちに目はなくなり、ふくみも低くなり、終いには石臼を製作した石工さんが亡くなり・・目立てができる職人さんも数を減らし、粉が挽けなくなって今に至るんじゃないかなと思います。そこで今回、思い切って専用を架台を製作し、過去一大きい2尺の石臼を復活させることにしました。

100年を超える巨大石臼(重さ300kg/直径2尺)の目立てを終えて再設置しました。
昨年9月、架台ができた時にまずはそのまま動かしてみてどの程度、粉が挽けるのか試してみたところ、投入したそばの実が割れた状態でそのまま中心部分に残り、そばの実をどれだけ投入しても粉になって排出されることなく、終いには詰まってしまいました。想像通りと言えばそれまでなんですが、それから一年かけてふくみを作り、目切りを行って、摺り合わせ、目立てを施して今週やっと再設置することができました。

100年を超える巨大石臼(重さ300kg/直径2尺)の目立てを終えて再設置しました。
メンテナンスする前とは明らかにそばの実の入り具合が違い、摩擦音も良い感じ。しばらくして石臼の隙間からちょろちょろと粉が出てきたときには感無量でした。しばらく丸抜きを挽かせてみて、タイミングをみて玄そばに切り替え、挽きあがったそば粉で蕎麦を打ってみました。

100年を超える巨大石臼(重さ300kg/直径2尺)の目立てを終えて再設置しました。

挽きあがりは上々で、繋がりも悪くない。でも、僕はこの石臼との時間が始まったばかりでお互い何も知らない間柄。いづれ息の合った夫婦の会話のような心地いい摩擦音が聞こえてくるよう、これからいろいろな粉を挽かせてみて対話しながらこの石臼と共にまずはこの10年を過ごして行きたいと思います。
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