全国津々浦々に宿場町がありますが、福井の宿場町といえば若狭町にある「熊川宿」です。
古くなった文化財を年々、少しずつではありますが修復を重ね、美しい街並みに戻りつつあります。
福井県内の観光客もいますが、敦賀で水揚げされた新鮮な鯖を京都に届けるために利用された「鯖街道」に面しているため、関西からの観光客がたくさん訪れます。若狭塗の食器類やアンティーク雑貨、発酵食品類、カフェ、パン屋などが続き、道の駅「熊川宿」へと続くので、ゆっくり観光しているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
その熊川宿の中に熊川宿若狭美術館という施設があるのですが、そこに併設する形でオープンしたのが、ガレットＫｉｒａｒｉ（きらり）さん。福井県産素材にこだわったガレットカフェです。
———————————————
※「ガレット」とは？
フランス語の「galette」に由来する言葉で、一般にフランス語で「平らな焼き物」を指す言葉として使われます。ブルターニュ地方では、ガレット・ブルトンヌ（Buckwheat Galette）と呼ばれる、そば粉を使ったクレープのような平らなパンケーキに塩味のある具材を包んで食事として楽しまれています。
———————————————
リノベーションした古民家を店舗として活用しており、入口はスロープになっているので足の不自由な方や車いすでも入店可能です。熊川宿の景色を見ながら食事やコーヒーが楽しめます。
ガレットメニューは計5種類。
食事メニューとして、定番の卵・チーズ・ハム。そしてこれをベースにミディトマトを加えたものと青ネギ＆へしこを加えたもの。デザートは、こしあん＆バターと塩バターキャラメル。せっかくなのでガレット4種類とノンアルコールのアップルソーダを注文。
▲もりやま園（青森県）のアップルソーダ
まずは、アップルソーダとおつまみのガレットチップス。
このアップルソーダ驚きました！ ノンアルコールなのにすごくシードル感があって香り良く味わい深い。僕が今まで飲んできた日本国内で醸造されているシードルの多くは、シードルというよりもアップルサイダーに近いものが多かっただけにこの衝撃は大きかったです。しかも、ガレットチップに良く合う！これなら子供でも楽しめます。
▲北川農園（小浜市）のミディトマトガレット（卵・チーズ・ハム入り）
見た目の色どりがとても良く、食欲が増します。
ガレットに包まれたハムとチーズの塩気を卵がやわらげて、トマトの酸味とガレットの香ばしさが上手に組み合わさった一皿。ハーブのディルが良いスパイスになって完成度がとても高いです。
▲はなひな農園（若狭町）の青ネギ＆へしこガレット（卵・チーズ・ハム入り）
まさかへしこがガレットと出会うとは考えもしませんでした（笑）
酸味の要素がないのでハムとへしこで塩味を強く感じるかな？と思ったんですが、青ネギが橋渡し的に良い仕事していて、ガレットの中でへしことマッチしています。
▲岡本善七製菓（若狭町）の特製こしあん＆北海道バターガレット
甘さ控えめなこしあんとガレットにほんのり温められたバターが溶けた感じが絶妙に美味しくて、さらに添えられたアイスクリームが味変になるので後引く味わいです。
▲浅草Fleur de Sarrasin特製 塩バターキャラメルガレット
これが福井で食べられる幸せと言ったらないです。
浅草にあるガレット専門店Fleur de Sarrasinさん特製の塩バターキャラメル。ガレットの本場、フランスブルターニュ仕込みなので、熊川宿に居ながら本場の味わいが楽しめます。
これまで、見てお分かりだと思いますが、一般的なガレットと形態が違うのが分かると思います。
普通のガレットは円形の生地を３方または４方で織り込んで、食べる時はナイフとフォークを使います。でもガレットＫｉｒａｒｉさんでは、一口サイズにカットされた「ガレットロール」で提供し和皿と若狭塗箸で食べてもらうという熊川宿らしい和の雰囲気を取り入れられていてすごくいい感じ。食べやすいのも美味しさの内ですからね。
▲？？？ガレット
〆の一品に試作中のガレットを食べさせてくれました。
これはおもしろい！福井の食文化を表現した、おそらくここでしか食べられない独特のガレット。
ぜひお店で味わってみてください（笑）
ごちそうさまでした！
[ガレットＫｉｒａｒｉ（きらり）]
〒919-1532 福井県三方上中郡若狭町熊川３９−５−２ 宿若狭美術館横
電話：050（3565）5885
営業時間：10:00～16:00
営業日：土日祝
