サンマロでいただくガレットは、日本でも各地に支店を構えるブレッツカフェに行きました。
ブレッツカフェと言えば、東京・神楽坂にある1号店が有名で、帰国してからもおさらいを兼ねてガレットをいただいてきましたが、開店早々30分以上の列がつく人気店です。
今回、そのブレッツカフェのサンマロ店に行くに至っては一つの強い想いがありました。
それはサンマロ店で修業している日本人クレーピエとお会いしたかったのです。日本人から見た本場のガレットはどんなものなのか?フランスと日本のガレットやそば粉はどう違うのか?ということを実際に現地で修行している日本人の方とお話したかったのです。
来店してまず驚いたのが、ブレッツカフェサンマロ店は、コンセプトの異なる3つの業態が並列しています。
正面のお店が手前がメゾン・ド・サラザン(LA MAISON DU SARRASIN) というソバを使った土産物店。
そばの蜂蜜やソバを使ったチップス、パスタ、キャラメル、クッキー、パウンドケーキ、ポン菓子など様々な加工品が売られています。
メゾン・ド・サラザンの奥にあるのがブレッツカフェ。さらに奥にあるのがOTONALI(オトナリ)という日本でいうところの居酒屋です。オトナリでは、ビール、ワイン、シャンパン、シードルなどのアルコール類の他、鶏のから揚げや焼き鳥といった日本食が用意されており、甘辛い味付けを好むフランス人たちであふれていました。
↓左がメゾン・ド・サラザン、右がブレットカフェ
まずは、お薦めのシードルで乾杯♪
付き出しにサンマロで採れた磯ワカメ入りガレットチップスを出してくれました。オリーブオイルとビネガーで味付けした磯ワカメのソースが最高に美味しい!魚介類とか海藻類とシードルって絶対合わないと思っていたんですけど、このワカメは磯の香りが控えめで味が濃く岩のりに近いので口の中でサッと溶けてシードルと合わせても不思議と喧嘩しない。いい感じでした。
サンマロ名物の岩牡蠣もいただきました。
パリ市内やスーパー、サンマロ内でも魚介類を扱うお店はどこも牡蠣を取り扱っていて、無類の牡蠣好きとしてはどこかで食べたいと思っていたので至福の時です。たしか自然災害でフランスの牡蠣がほぼ全滅して日本が牡蠣を提供したという話は有名です。サンマロの牡蠣は控えな海の香りとは逆に身の味わいが濃厚で、後味すっきり。いくらでも食べられるやつでした(笑)
ブレッツカフェと言えば、本でも紹介されているガレットロール。
一口サイズにカットしてあるので食べやすく、そのまま食べても美味しいガレットロールに2種類のソースがついていて1度に3度美味しい技ありメニュー。
意外と考えが及ばなかった、そばのポタージュ。ソバのポン菓子とアンドゥイユ(豚の臓物ソーセージ)がトッピングされています。ポタージュにそばの香りはほとんど感じませんでしたが、香ばしいポン菓子香りと軽くソテーされたアンドゥイユの塩気がすごくマッチしていて感動してしまいました。
サンマロ店に勤める日本人クレーピエのTさんです。
奥様と一緒にお勤めでいらっしゃり、ブルターニュでのガレット文化について一つ一つ丁寧に質問にお答えいただきました。日本で育ちつつあるガレット文化と本場の違いや、その違いはどういったところから現れてくるのか。素材なのか、作り方なのか、気候風土なのか、人間性なのか・・非常に興味深いお話でした。
帰り際に何とブレッツカフェ(ル・ブルターニュ)のベルトラン社長が偶然、サンマロ店にいらっしゃり、ご挨拶させていただくことができました。日本でも雑誌やテレビで拝見していたので、その方が目の前にいるとうことが感激でお会いできて光栄でした。
サン・マロのブレッツカフェにて
有名なガレットロールが本場で食べれたことが何よりうれしかったし、ショップで展示してあったブルターニュ原産の在来種「ラ・アルプ」を手に取ることが出来てとても興奮しました。
日本のル・ブルターニュ(ブレッツカフェ)で食べたガレットは本場のブレッツカフェものとは全く別物で、おそらくこれは素材や環境の違いから生まれるモノで日本のガレットが日本でしか食べられないという事なんだろうと思いました。
[Le Comptoir BREIZH Café , Saint-Malo(ブレッツカフェ サンマロ店)]
6 Rue de l’Orme, 35400 Saint-Malo,France
TEL:+33 2 99 56 96 08
このブログでは、ガレット店の紹介や文化、観光に関してなどをご紹介していきます。
福井のそば粉屋として専門的な立場から、プロの話や技術、製法、栽培については以下のブログをご覧ください。
▼ガレットの本場‐フランス・ブルターニュ視察