島根県は気候が福井とよく似ていると聞きます。
同じ日本海側にあり、夏は暑く冬は厳しい寒さが続く。一年中、曇天が多くて山間部は大雪になることもしばしば。こんな雲一つない胸のすくような青空になることが珍しいというところもよく似ています。
雲南市にある奥出雲そば一福(本店)さんにやってきました。
中国・山陰地方を中心に関西にも支店がある出雲そばの有名店です。以前、松江のお店に伺おうとしたんですが、結局、行くことができなかったので、今回、本店に来られてすごく良かったです。
お昼の時間帯を外した14時頃に着いたのですが、日曜日ということもあって満席。10組ほどの待っているお客様がいました。車のナンバーを見ると大半が広島からだったのには驚きました。広島の方もお蕎麦好きなんですね~
1時間くらい待つことを覚悟していたものの、回転が速くて30分ほどで入店することができました。入口横には土産物コーナーがあり、そこで買い物しながら順番待ちできるのが良いです。
厨房は活気があり、スタッフの動きに無駄がありません。次から次へと山のように入っていくオーダーも中のオペレーションどうなってるんだ?と興味がわくほど淡々とこなされて、提供スピードが早い。茹で上げられた蕎麦から立ち上る湯気とともに蕎麦の香りがテーブル席にも届いて美味しい蕎麦の期待が高まります。
僕の中で「出雲そば」と言ったら割子よりもこっちのイメージで、釜揚げならではのそば湯に蕎麦を浮かべる提供スタイルは、1杯まるごと蕎麦を食べるという感じです。顔を覆うように立ち昇ってくる湯気とともに香るそばの香りはまるで釜前に立っているかのような幸せ感。
蕎麦を冷水で〆ることなく、茹で上がったらそのままそば湯と共に盛り付けるので、蕎麦のコシは弱いですが、釜揚げならではのポトポトとした麺の食感は胃にやさしく、体が温まります。
ここにそばつゆを加えて好みの出汁加減で食べられるのが嬉しい。でも、ほとんど出汁を加えずにこのままいただきました(笑)
天盛りが付いた贅沢な割子そばは、ボリューム満点。
玄そば丸ごと製粉した挽きぐるみのお蕎麦は、噛み応えがあって噛むほどに甘みが出てくる。
また、少し粗挽き感があるので舌の上でザラっとした食感が残り、それが出汁をうまく運んできます。
色濃いお蕎麦は弾力があって味も濃厚なので、食べ進めていくと途中で疲れてきたり味にも飽きてくることがありますが、薬味を色々変えながら味わいの変化を楽しめるので、最後まで美味しくいただけます。
広島県産の牡蠣がたっぷり入った冬季限定メニュー。
牡蠣の身がプリプリでエキスがすごい!
これも釜揚げ仕様になっていて、出汁を加えて好みの塩梅にすることができるのですが、この牡蠣から出たエキスたっぷりのそば湯がたまらなく旨い!出汁を加えることでカツオやいりこなどの旨みが重なってしまうので、こちらも出汁は使わずこのままでいただきました。塩か昆布入りの塩出汁みたいのがあったら最高かもしれませんね。
今回、初めての一福さん訪問は冬でしたが、春夏秋の期間限定メニューも食べてみたい。多分、僕は夏でも釜揚げを食べるんじゃないかと思うくらい、本場の釜揚げ美味しかったです。
ごちそうさまでした。
[奥出雲そば処 一福(頓原本店)]
〒690-3204 島根県飯石郡飯南町佐見977
TEL:085-472-0277
営業時間:平日 10:30~17:30(LO 17:00)/土日祝 10:30~18:30(LO 18:00)※そばが無くなり次第早仕舞いあり
定休日:元日、月曜日不定休