福井県主催のオンラインそば打ち体験講座「家庭でおいしいそばを打つ方法」が開催されました。
講師は全日本素人そば打ち名人大会 第9代名人の岡本幸廣氏、進行は片山虎之介氏で、片山氏が運営する日本蕎麦保存会.jpのホームページにて募集が始まるや否や20名の参加枠が即定員に達し、早々に受け付け終了となったそうです。
実は僕も参加しようと思ってこっそり申し込みしようとしたんですが、その時にはもう定員いっぱいで名人から直に教わるそば打ち体験講座の人気の高さに驚きました。
そこで、撮影現場にお邪魔して生のそば打ちを拝見させていただくことに笑
ずるいかもしれませんが、近くにいるものの特権です♫
片山さんと岡本名人挨拶の後、早速、体験講座に入ります。
今回は主に初めてそば打ちされる方や初心者の方を対象にした講座で、家庭にある道具を使って進められました。例えば、水回しをするコネ鉢は大きめのボウル、包丁は万能包丁(または、菜切り包丁)、打ち台は食卓テーブルでOKですし、めん棒はホームセンターなどで打っている数百円の木製の棒で大丈夫です。
手元と正面のカメラを切り替えつつ、岡本名人と参加者の進み具合のバランスも見ながら講座を進めていきます。こちらと参加者の間にタイムラグが出るんじゃないかと思っていたんですが、音声や映像はとてもスムーズでした。
そば打ちは水回しが重要だという事、そば粉に水が十分に行き渡った状態の見極め、少量打ちだからこそ省略できる工程など、とても分かりやすく丁寧な指導に見ているこちらも勉強になります。
岡本名人は参加者に寄り添った形で工程ごとにゆっくり進められていましたし、個々へのアドバイスもあって、みなさん良い感じで作業が進んでいるようでした。
のし、たたみと進み、打ち粉を振っていよいよ切りの工程です。
使う道具は万能包丁とこま板ですが・・、よく見てください。こま板の代わりにティッシュの空き箱で代用していますw 傍から見ていて、そば打ちの頂点に輝いた名人が家庭の包丁と空き箱で蕎麦を切っている姿がとても愛おしく見えました笑
包丁は切っ先からななめに入れてアゴを落とすように切るのではなく、切っ先からななめに入れたらその形を維持したまま手前に引くように断ち切っていました。撮影中に色々切り方を工夫している名人の姿を見ていましたが、万能包丁では一番、きれいな断面になったようですね。
岡本名人は、「蕎麦はなるべく均等の太さに切れた方が良い。なぜなら湯がく時に細い蕎麦がちょうどいい茹で加減だとしたら、太い蕎麦は固めになってしまうから。でも、やわらかい食感と固い食感の対比も蕎麦の魅力で美味しさの1つだから、あまり気にしないで楽しくやりましょう」と声をかけていました。
講座の終盤は参加者の質疑応答の時間で、のしのポイントや蕎麦切り包丁での切り方のコツなど、時間の許す限り一つ一つ答えられていました。
オンラインそば打ち講座は今回初めての試みでしたが、正味120分という長丁場ではあったものの、過ぎてしまえばあっという間で非常に有意義でした。この経験を生かして、これからも魅力ある越前そば文化の発信を続けていきたいと思います。
片山さん、岡本名人、ありがとうございました。