そば、そば粉の疑問

そばに関する素朴な疑問

そば打ちの水回しのコツは何ですか?

そば打ちにおける「水回し」とは、そば粉と水を合わせて生地を作る際に、水分を加えながらこねていく工程を指し、生地の質感や弾力を調整し、最終的な麺の仕上がりに影響を与える重要な工程です。そば打ちの水回しのコツをいくつかご紹介します。

1,水を数回に分けて加え均一に混ぜていく
あらかじめ篩を通してサラサラ状にしたそば粉に計量した水の7割を加えて混ぜ合わせます。この時、指先は熊手のように指先を立てて内側から外側へ両手を回しながら攪拌していきます(ここでは手のひらは使わず指先だけで作業します)。水分を効率よく行き渡らせるため、時に手を素早く動かしながら外側と内側、手元など全体を均等に混ぜることが大切です。

2,水分を少しずつ加える
一般的なそば粉を水回しする際には、一度に加水せず、2回3回に分けて加水していく方が失敗しにくいです。加水量はそば粉の性質や打つ場所の気温湿度によって変わるので、基本的な加水率(二八そばなら45%、十割そばなら50%)を目安に都度、調整を行って適正な加水量を見極めてください。初めての場合や、湿度の影響を受けることもあるため、水回しの過程で生地の状態を注意深く観察し、必要に応じて水を加えて調整していきます。柔らかすぎず、硬すぎない程度に調整することが重要です。

3,手で触って感じる
全体がビー玉から小さいじゃがいもくらいの大きさになってきた頃に生地を触って感じることで、水分量や生地の状態を把握することができます。初めは少し硬めの生地から始め、徐々に水分を加えて適度な固さになってきたらひとまとめにしてこねる作業に入ります。この工程から後の段階で加水を行うと失敗する恐れがあるので、この工程までで加水量をなるべく決めておきましょう。

4,休息時間を設ける(※粗挽き蕎麦を打つ場合)
水回しが終わりひとまとめにしてからこねる作業に入る前に生地にラップを被せて2~5分休ませます。休息時間によって、そば粉の粗い粒に水分がに浸透し、生地の状態が安定することが期待されます。微粉や打ちやすいそば粉の場合は休息時間は不要です。

5,こねる力を調整する
こねる力も大切です。生地が均一にまとまり、表面にツヤが出て手につかない程度にこねることを目指します。強すぎる力でこねたり、長い時間こねると乾燥が進んで風味が損なわれる可能性があり、後の工程で割れたり麺が切れる原因になります。

「水回し」は経験と感覚が求められる部分ですので、何度も練習することで理想的な生地の状態に近づけることができるでしょう。