私たちは「福井県産無農薬栽培の玄そば」を使用し、伝統の石臼と製粉技術で試作を行い、業務用そば粉を作り上げます。
0120-17-4578
8:30~17:30(土日祝日休み)
石川県の海沿いを走る途中にある「蕎麦処 上杉」さんは老舗の蕎麦店です。先代の生家を改装し古民家風の佇まいが蕎麦の味わいをさらに盛り立てます。十割で風味豊かな十割蕎麦を理想とした上杉さんの挑戦にカガセイフンのそば粉を提供いたしました。
もともと商売をやってみたいと思い飛び込みました。80代の先代(祖父)には店の跡継ぎがおらず、先代限りで終わるのもさみしいと思いまして。ただ先代から具体的に蕎麦の打ち方を教えてもらったことはありません。
修行のために初めて店の厨房に入った時、最初の2週間は「打つところを見ていろ」、次の2週間は「蕎麦を打ってみろ」、1か月後には「自分でやれ」、と昭和の職人さながらの教えられ方でした。
先代は先代の味、私は私の味を形にしようという考えでした。この店は先代の味を知っている方ばかりがお客様で、私がどんないい蕎麦を出しても比べられると思ったからです。そのことも先代は分かっていたので、蕎麦に関してはそれぞれの味を追求することに異論は持っていませんでした。
もともと店で使っていた粉について「自分はこの粉ではないなあ」と違和感を持ちながら打っていたのです。先代もいつも「つながらない、つながらない」と言うので、一からそば粉を探してみようと思いました。
隣の福井県は蕎麦がうまいし、近場だから対応してくれそうだと考えインターネットで「福井 そば粉 製粉」で検索しました。いくつか製粉会社が表示された中で、カガセイフンさんのホームページがしっかりしていて、石臼と在来種のことを知り、カガセイフンのこだわりが分かったので電話をしました。
他産地のそば粉を試してみたのですが、香りや味が総じて弱く感じ、麺のつながりも悪かった。麺つゆとのバランスも取りづらいことが多かったことです。
「田舎蕎麦のような黒い色の蕎麦にはしたくない」「香りや風味が出るもの」という2点です。要望を伝えたところ「イメージに近いのそば粉を送るので一度打ってみてください」という返答でした。
挽きたてをすぐに送ってくれました。最初は【水仙】でした。そりゃあもう、袋を開けた時に香りがわき立ってきて、ボウルに移しても香りが立つ。ふるいにかけて握ると、そのまま餃子かと思うくらいしっかり形が残って崩れない(笑)。こんなに簡単に打てる蕎麦があったのかと驚きました。「いい粉だからいい蕎麦にしたい」という強い気持ちが芽生えましたね。
感動してすぐに電話をして。その時もつながりの良さ、麺の色、香りと味の確認をしてくれました。そんな風にイメージに合うように話をしてくれる製粉所はありません。
なんというか、石臼が一台ずつ回ってるじゃないですか。石臼から少しずつポロポロとそば粉がこぼれている…。こんなにも時間をかけて製粉しているなんて…。加賀社長に石臼の話も詳しく聞いて、帰宅する頃にはすっかりカガセイフンのファンになっていました。取引先だけどファンなんです。ああ、そば粉のことならカガセイフンは間違いないなと納得しました。私に植物のソバと、粉のそばを教えてくれたのが加賀社長です。
生粉打そば(十割)のせいろそば
生粉打ち(きこうち)蕎麦は、カガセイフンのそば粉と地元宝達山の伏流水のみで打った十割蕎麦です。蕎麦の香り、甘み、を楽しんでもらう蕎麦です。
カガセイフンから取り寄せたそば粉で蕎麦を打ち、初めて食べた時にとても美味しくて「これはお客様にもちゃんと味わっていただきたい」と思ったんです。味わっていただくためには噛んでもらわないといけません。それなら、加水率を下げて少し固くしてもこの蕎麦なら問題ないだろうと。硬めの麺を細く切って茹で時間を短くすれば、理想の蕎麦になりお客様に存分に味わっていただけると考え、そこからそば打ちで調整して試行錯誤しました。
一方、御前そば(ごぜんそば)は、先代の発案した蕎麦です。祖父の蕎麦は”噛んで独特な食感を楽しんでもらう蕎麦”でしたが、私の蕎麦は”飲んで喉越しをを楽しんでもらう蕎麦”だと思っています。祖父の打っていた蕎麦を、「白く、極力細く、食感も極力柔らかく素麺のような蕎麦」に変えた形と言いましょうか。
噛んで楽しむ生粉打ち蕎麦に、飲んで楽しむ御前蕎麦。よく似た食感や色では変わり映えもなくお客様にも飽きられます。なのでしっかりとお互いの特色を出せる蕎麦にしようと発案しました。
生粉打ちそば(十割)のおろしそば
それは私がいたく感動した話ですね。夏にカガセイフンさんのそば粉が突然つながらなくなったんです。おかしいと思って加賀社長に連絡をしたら次の日に来店してくれて。普通の会社なら「新しいのを送りますね」で終わるところを、社長は自ら来て原因を追究してくれました。
現場で現物を見ないとどこに問題が分からなくなります。今後のことも含めて特定が大事だと思いまして。
上杉さんは、届いたそば粉はすぐに冷蔵庫へ入れ、打ち場も乾燥しない程度に室温を下げ、水は冷水というお話でした。蕎麦を打つ環境としては万全なのに、どうも蕎麦がボロボロになってしまって麺にならないという現象でした。
伺ってすぐそば粉を開封して中身を確認したところ、出荷時に品質チェックした時と比べて、明らかにそば粉が乾燥してパサつき変質していたのが分かりました。この変質は急激な温度変化によるものであることはすぐに分かりましたが、どの時点で劣化したのか原因を探りました。
最終的に原因は運送中の高温によるものでした。夏場のトラックの庫内は50℃近くになり、夜間でも熱帯夜になると35℃を下回ることはなく、配送の間暑い環境下に晒されることで真空パックでも品質維持は困難だと。
上杉さんに持参した代替品と劣化したそば粉を見てもらってその差を感じて納得いただきました。それ以降クール便で発送しています。当社では気温が上がってきたらクール便で出荷するのはこのような理由があるからなのです。(クール便の送料の半分はカガセイフンが負担)。
鶏蕎麦
蕎麦の味にもうつろいがあって、その味の変化も楽しんで頂きたいからです。生ものなので香りが強いとき、弱いときもありますし、お客様を飽きさせない工夫です。
私は蕎麦打ちはゴルフに共通するものがあると思うんです。ゴルフにおいて同じ状況でのショットは2度はないんです。同じように、蕎麦は気温や室温、湿度、蕎麦粉の状態など「同じ粉を使っていても日々全く違う」ものです。すべてがちょうといい時があり、その中でも会心の一打がある。それもたまらなく嬉しいですし、それがそば打ちの醍醐味と言うか楽しいんです。
初心者から玄人まで打ち手の求める蕎麦を間違いなく提供してもらえます。要望にそったそば粉を作るために細かい調整をしてくれることもありがたい。加賀社長だけでなく、スタッフの方もみんな良い人ばかりで、親身になって話を聞いてくれます。人の顔が見えるお付き合いです。
先代の生家を改装した店舗です
上杉さんでは十割蕎麦と更科蕎麦の2種類を出されていて、弊社の粉は十割蕎麦で使っていただいています。丁寧に水回しされているのでモチモチ感が際立って、香り高くのど越しが良い蕎麦です。そば打ちが最も難しくなる夏季にいかに十割で提供できるかがポイントだったので、なるべく夏季にお店に伺って蕎麦を食べたり、その時に抱えている問題点などをヒアリング。そば粉の挽き方、注文頻度、1回の製造量、製袋方法など、できる限りの対策を提案し、すり合わせていきました。先代から「夏場でも打つのが楽しい」という声をいただいたのは嬉しかったです。
「蕎麦処 上杉」さまへの納入事例
ご注文頻度と数量
【水仙】または【金華】1.5kg(真空パック)12袋 /月1~2回
取材協力店 「蕎麦処 上杉」
〒929-1342
石川県羽咋郡宝達志水町麦生ヌ68
電話:0767-28-4740
営業時間:11:30~14:00(平日)、11:00~14:00(土日祝)
定休日:火曜(定休日が祝日の場合は翌日休)、毎月の最終月曜日
駐車場 :あり
アクセス:のと里山海道今浜インター3分、 JR七尾線宝達駅タクシー5分
ホームページ:https://soba-uesugi.com/
加賀健太郎ブログ「越前そば粉屋六代目の加賀健太郎は石挽きの音に癒される」
能登の入口にある蕎麦処 上杉[羽咋/宝達志水町]は、落ち着いた古民家で生粉打ち十割と美しい御膳そばが食べられる。
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